Episodios

  • 子どもたちの「学びの多様化」に向けて──出水南中学校の新たな取り組み
    Apr 18 2025
    🔶【子どもたちの「学びの多様化」に向けて──出水南中学校の新たな取り組み】春、新しい学年、新しい環境が始まる季節。熊本市立出水南中学校では、今年度から“子どもたちの多様な学び方”を支える新しい取り組みがスタートしました。第3金曜日の放送では、出水南中学校 校長の田中慎一朗さんと、生徒支援主事の荒木繁先生をお迎えし、新たに設けられた「学びの多様化学級」について、お話を伺いました。🔶生徒指導を「二本立て」に「これまで“生徒指導主事”というと、どうしても“生活指導”や“厳しさ”のイメージが強かったですよね」と語る田中校長。しかし今年度から出水南中学校では、生徒指導の体制を見直し、“学びや心のサポート”を担う専任教員として、「生徒支援主事」を新設。その任にあたるのが、荒木繁先生です。「子どもたちの不登校やいじめ、教室に入りづらいという悩みに、学年を問わず寄り添っていくポジションです」と田中校長。担任や学年に所属しないことで、より柔軟に全校生徒に対応できる体制を整えました。🔶「復帰」をゴールにしない、新しい学級こうした体制強化に加えて始まったのが「学びの多様化学級(通称:CDL = Customized Diverse Learning)」です。「これは、“元の教室に戻ること”をゴールにしないという、これまでの考え方とは大きく違う取り組みです」と荒木先生。「学校の教室では集中しづらい」「集団の中にいるのがどうしてもしんどい」と感じる子どもたちが、安心して過ごし、自分のペースで学び続けられる場所を、学校の中につくろう。そんな思いから生まれた学級です。これまでも学校内にサポートルームのような場はありましたが、そこは主に自習の場でした。今回の「学びの多様化学級」では、それに加えてソーシャルスキルトレーニングや、子どもたちの趣味や特技を活かした活動など、より広がりのある学びを意識しています。 🔶子ども自身が「今日を選ぶ」空間「この部屋では、子どもたち自身がその日一日をどう過ごすかを決めます」その言葉通り、CDLの教室はまさに“選べる空間”。パーソナルスペース、協同学習スペース、リラックスエリア…と、5種類の座席環境が用意されており、子どもたちはその日の気分や体調に応じて、自分で場所を選びます。「時間割もありません。今日はここで学びたい、今日は静かに過ごしたい…それを自分でデザインして、振り返る。その“自己決定”の積み重ねが、自信や意欲に繋がっていくんです」と荒木先生。室内には、ソファーやぬいぐるみも。「他の先生方が“使ってくれたら”と持ち寄ってくれたんですよ」と田中校長は笑います。また、学級には校内教育支援センターの支援員も常駐。個別指導や相談にもすぐに対応できる体制です。🔶目指すのは「登校」よりも「変化」この学級の着想のもとには、先進事例として視察した広島県の取り組みもありました。「広島では、目標は“登校させること”ではなく、“その子にとって好ましい変化を目指すこと”だと教わりました」そう語る田中校長は、「それまで私たちは“学校に戻ってきたら成功”という価値観にとらわれていたかもしれない」と、はっとさせられたと話します。「どんな場所にいても、自分で“今日来てよかった”と思えることがある。それがまず何より大切だと考えるようになりました」と荒木先生。実際に、「まだ子どもは行けないけれど、まず保護者だけ見せてください」と学校を訪れるケースもあり、ニーズの高さを実感しているといいます。 🔶子どもたちが、自分らしくいられる場所に「最終的には、ここに来ることで“自分らしく過ごせる”“学べる”と感じられる場所にしたいんです」そう力を込める荒木先生。“普通の教室”では息苦しさを感じていた子どもたちが、「今日はこれができた」「ちょっと楽しかった」と思える場所に。登校できなかった日々も、決して“後れ”ではなく、「自分を知るための時間」だったと思えるような学びの形を目指しているのです。「1人ひとりの子どもを、大切にしたい。その思いは、何があっても揺...
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  • 春、SNSの“交通整理”を──リアルと繋がる世界で考えるべきこと
    Apr 11 2025
    🔶【春、SNSの“交通整理”を──リアルと繋がる世界で考えるべきこと】新生活が始まる春。進学や就職で環境が大きく変わるこの季節、「SNSの使い方」も、少し立ち止まって見直してみませんか? そう語るのは、ライブ配信ディレクターの斉場俊之さん。今回はSNSにまつわる「情報の交通整理」の大切さについて話してくださいました。 🔶現実とSNSの境目が、なくなっている今「SNSは、もはやネット上の“別世界”ではないんですよね」たとえばアメリカの大統領が、記者会見より先にSNS(旧Twitter/現X)でメッセージを発信することがあるように、いまやSNSは、リアルな社会と地続きの場。「昔みたいに“ネットはネットだから”って言い訳できる時代じゃないんです。リアルな人間関係や生活に直結しているからこそ、使い方には配慮が必要です」 🔶自分に合ったSNSだけでいいいまやSNSと一口に言っても、X、Instagram、Facebook、TikTok、LINE、YouTube…と無数にあります。「でも、全部やる必要はないんです。自分が使いこなせる範囲、自分の生活リズムに合ったSNSだけで十分。車の運転と一緒で、扱えないものに無理に乗る必要はない」パスワードがわからなくなる、通知が追えない、情報が溢れて疲れてしまう…という人も多いはず。まずは“使いこなせるかどうか”で取捨選択してOK。それが、SNSを自分のものにする第一歩です。 🔶SNSにおける「3つの注意点」では、新生活に向けて、どんなことに注意すべきなのでしょうか。斉場さんは3つのポイントを挙げてくれました。① 発信内容の“拡散リスク”を忘れないたとえば「桜がきれいでした」と何気なく投稿した写真から、通勤・通学ルートや勤務先、学校が特定されてしまうことも。「見ているのは友達だけじゃない。見知らぬ誰かが、あなたの投稿から“情報”を拾っているかもしれない。写真や文の中に、知らず知らず個人情報が入り込んでないか、今一度見直してほしいんです」また、勤務先や学校のルールでSNSへの投稿が制限されている場合もあります。「うっかり」では済まされないこともあるので、事前に確認しておくのが安心です。②「繋がる相手」は選んでいいLINEやインスタで「交換しましょう」と言われたとき、「NO」と言いにくい空気、ありますよね。でも…。「自分のSNS空間には、自分で“誰を入れるか”を決めていいんです。特に、仕事とプライベートは明確に分けること。プライベートなLINEに業務連絡が飛び込んでくると、気が休まりません」そんなときは、思い切ってこう伝えても大丈夫。「LINEはプライベートで使ってますので、仕事の連絡は〇〇でお願いします」最近では、LINE WORKSやSlackなど、ビジネス向けのチャットツールも浸透してきています。会社側がこうした環境を整えることも、若い世代の離職防止につながるかもしれません。③ 子どもたちのSNSにも、大人のまなざしをスマホを持ったばかりの子どもたちは、まだトラブルを予測する力が育ちきっていません。「友達にLINEを教えたら、グループ内で悪口を言われて…」というケースも実際に起きています。SNSでのやりとりは表に出づらく、発見が遅れることも。「だからこそ、保護者の皆さんには“携帯を見る権利が家庭にある”と伝えてほしい。そして、日々の小さな変化を見逃さないようにしてほしいんです」 🔶SNSはリアルを豊かにするために「SNSって、現実をもっと楽しく、便利にしてくれるツールであるべきなんですよね」斉場さんの言葉には、リアルな人と人との繋がりを何より大切にしている姿勢がにじんでいました。新しい学校、新しい職場、新しい街。そのどこかで、誰かと繋がるとき、SNSが役に立つこともあるでしょう。けれどそれは、あくまで“道具”としての話。「SNSの中の自分が主役になってしまわないように。自分の“リアル”を幸せにするために、SNSを上手に使ってほしい」春、情報の交通整理をして、新しい一歩を安心して踏み出してみませんか?(聞き手:江上浩子)
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  • 2025年春の注目映画レビュー ――時を越え、真実を問う話題作が続々登場!
    Apr 4 2025
    2025年春の注目映画レビュー――時を越え、真実を問う話題作が続々登場!春は別れと出会いの季節――そんな今こそ、大きなスクリーンで物語の世界にひたってみませんか? 映画解説研究者の上妻祥浩(こうづま よしひろ)さんが、4月に公開される注目作3本をご紹介くださいました。個性的な演出と深いメッセージが詰まった作品ばかりです。まずは少し寂しい話題から。熊本市の「ユナイテッド・シネマ熊本」が3月末で閉館しました。交通の便がよく、学生たちにも親しまれてきた映画館の閉館に、惜しむ声も多く聞かれます。とはいえ、映画の魅力はまだまだ尽きません。この春も、劇場でしか味わえない名作があなたを待っています!🎦 『HERE 時を越えて』(4月5日公開)一つの場所を“定点カメラ”で映し続けるというユニークな手法で、壮大な時の流れと人間ドラマを描き出す話題作。監督は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『フォレスト・ガンプ』のロバート・ゼメキス。主演のトム・ハンクスは10代から70代までの同一人物を、デジタル技術を使って見事に演じ分けます。恐竜が歩く太古から未来まで、同じ場所に立つ家を舞台に、世代を超えて紡がれる人生の断片。カメラは動かず、家からもほとんど出ない。それでも画面から目が離せないのは、そこに“生きている”人間の姿があるから。映画の常識を覆す、まさに“映像の魔法”。劇場で体験すべき一作です。👉 公式サイトはこちら https://here-movie.jp/🎦 『アンジェントルメン』(4月5日公開)タイトルは“紳士”ですが、登場するのはまったく“紳士的でない”極秘部隊!第二次世界大戦下、ナチスドイツに押されるイギリスで、チャーチル首相が極秘に結成した少数精鋭の部隊。その中心人物は、ジェームズ・ボンドのモデルの一人ともされる実在の軍人です。諜報活動に携わっていたボンド原作者イアン・フレミングも登場し、歴史とフィクションが交錯するスパイアクションが展開。音楽はまるでマカロニ・ウエスタンのように殺伐とした雰囲気を漂わせ、スタイリッシュながらもシリアスな空気感が印象的。ミッション・インポッシブルや往年の戦争映画を彷彿とさせる、骨太な娯楽作です。👉 公式サイトはこちら https://ungentlemen-movie.com/🎦 『#真相をお話しします』(4月25日公開)タイトルに「真相をお話しします」とありながら、“詳細は話せません”。暴露系の生配信番組を舞台に、参加者たちが視聴者からの投げ銭を目当てに、自らの“告白”を始める――という現代ならではのサスペンス。原作は短編ミステリー集で、劇中でも1話ずつ語られるエピソードが少しずつつながっていきます。主演はMrs. GREEN APPLEの大森元貴さんと、timeleszの菊池風磨さん。ナチュラルかつリアルな演技で、現代社会への鋭い批評性をもたらしています。後半に待ち受けるどんでん返しは、劇場でぜひ体感していただきたい“言えない”魅力。観る前に情報を入れず、真っさらな状態で楽しむのがおすすめです。👉 公式サイトはこちら https://shinso-movie.jp/🎬 春、スクリーンの中で“旅”をする。映画館が減りつつある今だからこそ、大きなスクリーンで味わう物語の旅は、かけがえのない体験になるはずです。『HERE 時を越えて』では時間を、『アンジェントルメン』では歴史を、『#真相をお話しします』では真実をめぐって――それぞれの世界が観る人を待っています。春の休日に、少しだけ現実を離れて、映画の中で“時空の旅”をしてみてはいかがでしょうか。📻【ニュース515+plus】エンタメ・教育・ITの専門家が気になる話題を徹底解説!毎週金曜 午後5時15分~ RKKラジオ(FM91.4 / AM1197)で放送中!🎙第1金曜日…映画解説研究者・上妻祥浩さん🎙第2金曜日…ライブ配信ディレクター・斉場俊之さん🎙第3金曜日…熊本市立出水南中学校 校長・田中慎一朗さん🎙第4金曜日…元RKKアナウンサー・宮脇利充さん📧 メール:515@rkk.jp🌐 WEB:https://rkk.jp/515news/
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  • この春、静かに語られなかった「80年談話」
    Mar 28 2025
    🔶【“謝罪を続ける宿命”を超えて──戦後80年談話を巡る思索】ある朝、宮脇利充さんはいつものように新聞を開いていて、一つの記事に目が留まりました。見出しには、**「石破内閣、戦後80年談話を見送り」**とあります。「へえ、そうなんだ」と読み進めながら、やはり複雑な思いがわいてきたそうです。「戦後80年というのは、被爆からも80年。日本が核兵器や戦争について、もう一度明確に言葉にする節目の年だと思うんです」この節目に、首相としての公式談話を出さない。もちろん、談話というのは“出すことが義務”ではありません。でも、だからこそ、出さないという選択には意味が宿ってしまう。宮脇さんは、少し残念そうな表情で語ります。 🔶「語らない」という選択が示すもの歴代の政権では、10年ごとに“首相談話”が発表されてきました。1995年の村山富市内閣、2005年の小泉純一郎内閣、2015年の安倍晋三内閣──。特に安倍首相の談話は、これまでの流れとはやや異なるものでした。「自分の代で、10年ごとに繰り返されるこの“謝罪の談話”を終わらせたい」という思いがあったと言われています。その真意を知るために、宮脇さんが手に取ったのが、船橋洋一著『宿命の子 安倍晋三政権クロニクル』。文藝春秋から上下巻で出版されたこの本には、あの戦後70年談話がどのようにして練られ、どれほど多くの人々の手を経て形になったのかが、丹念に描かれています。 🔶自分の言葉か、閣議決定かそもそも安倍さんは最初、「閣議決定」という手続きを避けて、自分個人の言葉として談話を出したいと考えていたそうです。「けれども、それには何の意味があるのか?」と政務秘書官の今井尚哉氏や、当時官房長官だった菅義偉氏に諭され、最終的に閣議決定の形をとることに。つまり、「個の想い」からスタートして、「国としての立場」に着地するまでに、多くの葛藤と調整があったのです。 🔶言わない自由と、表現の工夫たとえば、それまでの村山・小泉談話では「我が国は侵略した」とはっきり明記されていました。しかし安倍談話では、主語が消え、『事変、侵略、戦争。いかなる武力の威嚇や行使も、国際紛争を解決する手段としては、もう二度と用いてはならない』と一般論のように語られます。また、お詫びの言葉も、「歴代内閣の立場は揺るぎない」と記述されるのみで、あらためて自らが謝罪する表現は避けられています。「そういった意味で、“言いたくないことは言わない”。でも、どう伝えるかにはものすごく工夫がされていたんですね」と宮脇さん。 🔶談話を支えた、数多くの声この談話づくりには、実に多くの人たちが関わっていました。政治学者の北岡伸一氏をはじめとする有識者会議、元読売新聞主筆の渡邉恒雄氏(ナベツネ)や、アメリカ大使キャロライン・ケネディ氏の意見も反映されているといいます。たとえば、「深く頭を垂れ、哀悼の意を表する」という一文は、ナベツネ氏のアドバイスによるもの。また、慰安婦問題への言及は、女性の人権への言及として、慎重に表現されています。 🔶“宿命”をどう引き受けるのかそんな中、心に残る一文があります。「私たちの子や孫、さらにその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」この言葉は、安倍さんが一番伝えたかったことかもしれません。そして続けてこうも書かれています。「しかし、それでもなお、私たち日本人は、世代を超えて過去の歴史に真正面から向き合わなければなりません」つまり、“謝罪を終わりにしたい”という想いと、“それでも歴史と向き合う覚悟”が、同時に存在していたということなのです。 そして、今──今、石破首相が戦後80年談話の発表を見送ることは、「語らない」という選択をすることです。「石破さんが、安倍談話に違和感を持っていたのであればこそ、自らの言葉で語ってほしかった。党内基盤が弱くて発表できないというのは、とても悔しい話だなと思います」宮脇さんはそう語ります。戦後という時間の中で、どの言葉を選び、どこまで語るのか──それは、政権...
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  • 🌸はなむけの言葉──“あなたのことをちゃんと見ている人が必ずいる”
    Mar 21 2025
    🌸【はなむけの言葉──卒業・進学・新生活を迎えるすべての人へ】熊本市内では、今日、多くの小学校で卒業式が行われました。私も来賓として出席させていただいたんですが、小学生たちの胸を張って旅立つ姿、本当にまぶしかったです。最高学年として学校を支えてきた6年生が卒業し、わずか数週間後には、新しい制服を身にまとって中学校にやって来る──この春の季節ならではの風景ですね。そんな「旅立ち」の時期に合わせて、今日は熊本市立出水南中学校の校長・田中慎一朗先生に、「はなむけの言葉」をテーマにお話を伺いました。 🔶優しさは、見えないところで動いている「実は今日、私、RKKに来る途中、自転車で転んでしまって…」と田中先生。小指を擦りむいてしまったそうで、気づかないうちに血がポタポタと。そのまま受付に立ち寄ると、受付の警備の方がそっと絆創膏を差し出してくれたのだとか。「何か、心が洗われました」と先生。何も言わずとも、誰かが気づいてくれる。その存在がどれほど心強いか。「だから、卒業して新しい環境に飛び込む人たちへ最初に贈りたい言葉は、“あなたのことをちゃんと見ている人が必ずいる”ってことですね」と田中先生は語ります。 🔶期待通りじゃなかった“今”も、必ず糧になる「思い通りにいかなかった3年間だったかもしれない。思い描いていた進路じゃなかったかもしれない。でも、それが“失敗”ではないんです」田中先生の言葉は、学校に来られなかった卒業生とその保護者のために、別室で行われた“もうひとつの卒業式”で贈られた式辞の一節にも通じます。「“その後どう生きるか”で、どんな今も意味が変わってくる。それは誰にでも言えることです」たとえつまずいたスタートでも、その一歩を踏み出した自分こそが素晴らしいと認めてあげてほしい──そんな先生のまなざしは、とてもあたたかいものでした。 🔶今この瞬間を、できるだけ楽しんでほしい新しい学校、職場、新しい街…どこへ向かうとしても、不安はつきもの。「ワクワクします!」と言いながら、実は不安でいっぱいの人も多いでしょう。でもそんなときこそ、田中先生はこう語ります。「“将来楽しむために今は我慢”じゃなくて、今を楽しんでいいと思うんです。今だけが楽しいんじゃなく、1年後、5年後、そしてまたその場所を離れるときにも“ここでよかった”と思えるような日々を、自分の力でつくってほしい」 🔶“あなたらしく”の、その先に「人ってそれぞれ。“みたいな人”はいないし、みんな自分のかたちがある。それを大事にして、誰かと関わりながら、今を笑って生きていけるといいですよね」熊本城マラソンの例を挙げながら、先生は語ります。ゴールできなかったことが“失敗”ではない。挑戦したこと自体に、意味がある。挑戦しなかったことと比べれば、結果の成否なんて本当に小さな差だと。 🔶そして、疲れたときは「戻っておいで」「不安なとき、傷ついたとき、また戻ってきていいよって、伝えたいんです。ちゃんと、見守ってる人はいるから」卒業していった生徒たちにも、春から新たなスタートを切るすべての人にも、田中先生の言葉はやさしく、力強く響きます。「どこかで誰かが、あなたをちゃんと見てる。絆創膏をそっと差し出してくれるように、あなたを大切に思ってくれる人がいる。それだけで、また一歩前に進めると思います」旅立ちの春、そんな“はなむけの言葉”を心にそっとしまって、今日もまた、それぞれの一歩が始まっていきます。【ニュース515+plus】エンタメ・教育・ITの専門家が気になる話題を徹底解説!!【2025年3月】第1金曜日・・映画解説・研究者 上妻祥浩さん第2金曜日・・・ライブ配信ディレクター 斉場俊之さん第3金曜日・・・熊本市立出水南中学校 校長 田中慎一朗さん第4金曜日・・・元RKKアナウンサー 宮脇利充さん◆WEB https://rkk.jp/515news/◆メール 515@rkk.jp★地上波ではRKKラジオ(熊本)FM91.4 AM1197で、毎週金曜日 午後5時15分から放送中。是非生放送でもお聴きください。
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  • 🚴進学就職の春 『自転車移動』を考える!🚴
    Mar 14 2025

    🚲春の自転車移動を考える

    進学や就職を控え、新たに自転車通学や自転車移動を始める人が増える春。今回のテーマは、「進学・就職の春、自転車移動を考える」。この季節にぴったりな自転車のメリットと注意点についてお伝えします。


    🔶1年間の自転車生活で感じたこと

    斉場俊之さんは昨年の2月に自転車を購入し、それから1年間、日常の移動手段として活用してきました。最初は近所の移動から始め、今では60キロの距離を走破するほどに。

    「最初はRKKまでの移動が中心でしたが、今週は通潤橋まで自転車で行きました。山都町までの道のりはまさに“山の都”。坂道が多いですが、それもまた楽しい経験になりました」


    🔶自転車移動のメリット

    1.時間の有効活用

    熊本市内の朝夕の渋滞では、車の平均速度は10キロ台前半。

    路面電車の平均速度も同じくらい。

    そのため、目的地によっては自転車の方が速いことも。


    2.健康維持

    朝晩5キロずつ自転車をこぐことでリフレッシュ。

    1年間の継続で5キロの減量にも成功。

    負担が少ない運動なので、初心者にも続けやすい。


    3.自由な移動

    渋滞の影響を受けずにスムーズに移動できる。

    交通機関の時間に縛られず、自分のタイミングで行動できる。


    🔶自転車移動のデメリット

    1.天候の影響

    夏の猛暑や冬の寒さに備える必要がある。

    汗を吸収しやすい機能性インナーと、脱ぎ着しやすい服装が重要。


    2.安全性の確保

    自転車は生身の状態での移動となるため、慎重な運転が求められる。

    事故のリスクを減らすために、基本的な交通ルールを守る。


    🔶自転車の交通ルール

    1.車道は左側を走行

    右側通行は危険。


    2.歩道では歩行者が優先

    自転車は歩道ではあくまで“お邪魔させてもらう”意識を。

    ベルを鳴らして歩行者をどかすのはNG。


    3.ハンドサインを活用

    右折時に右手を上げるなど、自分の動きを周囲に伝える。


    🔶ヘルメットの着用

    自転車での事故を防ぐために、ヘルメットの着用が推奨されます。熊本市では高校生を対象にヘルメット購入補助が実施されているため、進学を機にぜひ利用を検討してみてください。

    「ヘルメットは涼しくて軽いものを選べば、着用のハードルも低くなります。万が一の際に自分の命を守るためにも、大人も含めてぜひヘルメットの着用を習慣化しましょう。」


    🔶まとめ

    自転車は、移動手段としても、健康維持としても、非常に有効な手段です。ただし、安全面にしっかり配慮し、適切なルールを守って利用することが大切です。


    この春、新たな生活のスタートとともに、自転車での移動を検討してみてはいかがでしょうか?



    【ニュース515+plus】

    エンタメ・教育・ITの専門家が気になる話題を徹底解説!!


    【2025年2月】

    第1金曜日・・映画解説・研究者 上妻祥浩さん

    ◎第2金曜日・・・ライブ配信ディレクター 斉場俊之さん

    第3金曜日・・・熊本市立出水南中学校 校長 田中慎一朗さん

    第4金曜日・・・元RKKアナウンサー 宮脇利充さん


    ◆WEB https://rkk.jp/515news/

    ◆メール 515@rkk.jp

    ★地上波ではRKKラジオ(熊本)FM91.4 AM1197で、毎週金曜日 午後5時15分から放送中。是非生放送でもお聴きください。


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  • 🎦映画『ウィキッド ふたりの魔女』『エミリア・ペレス』『35年目のラブレター』『少年と犬』の4本を紹介!!🎬
    Mar 7 2025
    2025年春の映画特集――見応えある話題作が続々公開今月の映画の話題といえば、何といっても3月3日に発表されたアカデミー賞。話題をさらった作品の中から、日本でも今月公開されるものがいくつかあります。そこで、注目の作品を中心にご紹介します。🎦『ウィキッド ふたりの魔女』(3月7日公開)まず1本目は、3月公開の『ウィキッド ふたりの魔女』。これは『オズの魔法使い』に登場する西の悪い魔女と良い魔女の2人の過去に焦点を当てた物語です。生まれつき緑色の肌を持ち、周囲の偏見に苦しむエルファバと、誰からも愛されるグリンダ。この2人が出会い、最初は衝突しながらもやがて強い友情を育んでいく姿を描いています。アカデミー賞では美術賞と衣装デザイン賞の2部門で受賞しており、そのビジュアルの豪華さは一見の価値あり。また、主演2人の歌唱力も素晴らしく、ミュージカル好きには特におすすめの作品です。なお、本作は2部作の前編にあたり、続編も決定しています。日本語吹替版では高畑充希さんが出演しており、オリジナル版と吹替版の両方を楽しむのもよさそうです。🎦『エミリア・ペレス』(3月28日公開)次に、3月28日公開の『エミリア・ペレス』。メキシコの麻薬組織のボスが性適合手術を受け、女性として新たな人生を歩み始めるという異色のストーリーです。その後、彼女は過去の自分が犯した行為と向き合うことになります。犯罪映画のスリルとコメディ要素、そしてミュージカルの要素が融合した作品で、ユニークな映画体験ができること間違いなしです。本作はアカデミー賞で助演女優賞を受賞したゾーイ・サルダナの演技にも注目。また、トランスジェンダーの女優が主演女優賞にノミネートされるというアカデミー賞史上初の快挙を成し遂げた作品でもあります。社会的なメッセージも強く、エンターテインメント性と社会性を兼ね備えた一本です。🎦『35年目のラブレター』(3月7日公開)続いて、日本映画からは『35年目のラブレター』をご紹介。本作は実話をもとにしており、戦時中に十分な教育を受けられず、読み書きができないまま大人になった男性が、65歳になって夜間中学に通い始めるというストーリーです。主人公を演じるのは笑福亭鶴瓶さん、支える妻役を原田知世さんが演じます。妻への感謝の気持ちを込めたラブレターを書くために、ひらがなから学び直す主人公の姿に、観る人も心を打たれることでしょう。熊本でも夜間中学がスタートしたばかりの今、この映画が持つメッセージはより深く響きそうです。🎦『少年と犬』(3月20日公開)最後にご紹介するのは、『少年と犬』。東日本大震災で飼い主を失った犬が、様々な人々と出会いながら南へと旅をする物語です。最終目的地は熊本。熊本地震ともリンクする作品になっており、熊本の風景が登場するのも見どころの一つです。本作の原作は馳星周さんの短編集『少年と犬』。映画版では登場人物やストーリー展開にアレンジが加えられ、より映画向けの構成になっています。犬好きの方はもちろん、人生の苦悩や再生をテーマにしたヒューマンドラマが好きな方にもおすすめの作品です。🎦春の映画は「人と人とのつながり」がテーマにこの春公開される映画には、社会問題を描いたものや、人とのつながりをテーマにした作品が多く並んでいます。『ウィキッド ふたりの魔女』や『エミリア・ペレス』では多様性やルッキズム、『35年目のラブレター』や『少年と犬』では家族や人との関わりの大切さが描かれています。春は新たな出会いと別れの季節。こうした映画を通して、大切な人とのつながりを見つめ直すきっかけにしてみてはいかがでしょうか。『ウィキッド ふたりの魔女』:正反対のふたりの魔女が織りなす、友情と運命の物語👉 公式サイトはこちら https://wicked-movie.jp/『エミリア・ペレス』:麻薬カルテルのボスが選んだ、驚きの“人生の再出発”とは?👉 公式サイトはこちら https://gaga.ne.jp/emiliaperez/『35年目のラブレター』:35年の時を超えて紡がれる、奇跡のラブストーリー👉 公式サイトはこちら https://35th-loveletter.com/『少年...
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  • 新聞はなぜ、原発を止められないのか——宮脇利充が読む一冊
    Feb 28 2025

    2月18日、政府がエネルギー基本計画を閣議決定しました。この計画は概ね3年ごとに見直されますが、今回の最大の特徴は「原発回帰」が鮮明になった点です。

    これまでの基本計画には「原発の依存度を可能な限り低減する」という文言が入っていました。しかし、今回はその表現が削除され、「原発を最大限活用する」という方針が打ち出されました。具体的には、2040年度までに原発の割合を現在の約9%から約20%へ引き上げる計画です。さらに、老朽化した原発の建て替えや新設を認める方針も示されました。


    ここで重要なのは、新たな原発の建設費を誰が負担するのかという問題です。政府は電力会社ではなく、私たち消費者の電気料金に上乗せする案を検討しています。つまり、原発回帰の流れは私たちの生活に直結する問題なのです。


    この政策を決定するエネルギー審議会のメンバーを見ると、再生可能エネルギーに取り組む自治体や企業、環境団体、さらには若い世代がほとんど含まれていません。代わりに、財界関係者や原発推進派の専門家が中心を占めています。審議の場でも、推進派の委員には20分程度の発言時間が与えられる一方、反対派の委員の意見発表はわずか3分程度に制限されているといいます。


    こうした状況を踏まえ、今日紹介するのが 『新聞はなぜ、原発を止められないのか―こうして記事は消された。ある記者の手記―』(南方新社) という一冊です。


    🔶新聞と原発報道の現実

    本書の著者、吉田昭一郎氏は、熊本出身で西日本新聞の元記者です。彼は、佐賀県の玄海原発の取材を続けていましたが、次第に原発に批判的な記事が掲載されなくなっていくという状況に直面します。原発の避難経路の不明確さや、自治体の不安を伝える記事を書こうとすると、デスクのチェックを通らず、棚ざらしにされる。最終的には「今後、原発に関する記事は掲載しない」と言い渡され、新聞社を退職することになりました。


    吉田氏は、この状況を 「新聞が大手電力会社や政府の意向に忖度し、チェック機能を十分に果たせていない」 と指摘します。新聞社は社説などで国の原子力政策を批判することはあっても、具体的に九州電力の動向やローカルな問題について踏み込んだ報道をすることはほとんどないというのです。


    本書では、そうした報道の現場での葛藤や、原発推進側の影響力の強さが具体的に描かれています。新聞がどのようにして企業や政府の圧力に屈し、読者には見えない形で情報がコントロールされているのか——そのリアルな実態が浮かび上がります。


    🔶原発回帰の流れと私たちにできること

    本書を読むと、改めて原発問題は単なる技術やエネルギーの問題ではなく、 政治やメディアの在り方とも深く関わる問題 であることがわかります。エネルギー審議会の偏ったメンバー構成、新聞の忖度、そして消費者に転嫁されるコスト——こうした現実を知ることが、今後のエネルギー政策を考える第一歩になるのではないでしょうか。


    宮脇利充が紹介する 『新聞はなぜ、原発を止められないのか―こうして記事は消された。ある記者の手記―』(南方新社) 、ぜひ手に取ってみてください。



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