Hits Me Up!ボイスドラマ集

By: Ks(ケイ)、湯浅一敏、くわきえみりのHits Me Up!
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  • 声優・桑木栄美里がお送りする飛騨高山を舞台にしたボイスドラマ 珠玉のドラマをお楽しみください
    Ks(ケイ)、湯浅一敏、くわきえみりのHits Me Up!
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Episodes
  • ボイスドラマ「rupoとさるぼぼ」
    Feb 4 2025
    (CV:桑木栄美里) 【ストーリー】 ■SE〜教室のガヤ 「あ〜、ま〜たさるぼぼ作ったんだ?」(※ココ男子でもOK) 友だちが、私のスクールバッグにつけられたキーホルダーをみて笑う。 赤、青、白、黄色、ピンク、緑、オレンジ・・・ 色とりどりの顔をした多勢のさるぼぼたちにまざって真っ黒な顔の子が揺れている。 一番上の目立つところに。。。 「なんか、黒いさるぼぼって、不気味〜。 ハロウィーンもう終わってるじゃん」(※ココ男子でもOK) 『黒い顔のさるぼぼは厄除け・・・』 私はひとりごとのように呟く。 私の名前は、るぽ。本名です。 お母さんに名前の由来きいてみたら。。。 フランス語で「Repos(ルポ)」=(は)「ひとやすみ」っていう意味なんだって。 だからかなあ、私、いつもぽわーんとしててお休みモード。 みんなから、私の周りでは時間がゆっくり流れてる、って。。。 私、自分の名前が『るぽ』だからってわけじゃないけど、 なぜか子どもの頃からさるぼぼが大好きで。 あだ名は、『るぽ』じゃなくて『るぼ』。可愛くなーい。 私に初めてさるぼぼを贈ってくれたのは、おばあちゃん。 それも手作りだった。 あれは私が保育園に入る前。 3歳のお誕生日、私を手招きして、 『さあ、お誕生日のるぽに、お人形を作ってあげようね』 と言って、赤い布を真四角に切り取り、四角(よすみ)を縫っていく。 ヒトデのようになった布切れはすっごく不思議な形だった。 私は目をまんまるにして覗き込む。 『さあ、お腹ができあがってきたよ』 ヒトデを真ん中からひっくり返し、綿(わた)をつめていく。 ただの布が命を吹き込まれる様子はまるで魔法のようだった。 『あとはお顔がないとね』 綿を器用に丸めてロウで固める。 すると、なんということ。 キレイなまん丸の玉ができあがった。 おばあちゃんは、まあるい玉に赤い布を貼り付けると、 『ほら、笑ってるみたいやろ』 ホントだ。さるぼぼが喜んでる。 『あとは、黒い頭巾をかぶせて』 わあ、可愛い。赤ちゃんだ。 『頭と体を縫い付けたら』 できあがり〜。 『まだまだ。腹掛け(はらがけ)を着せてあげんとね』 おばあちゃんは、腹掛けに『るぽ』と刺繍してくれた。 私にもわかるように、ひらがなで大きく。 完成したのは、身長20センチくらいのさるぼぼ。 3歳の私にとっては、大きな大きな手作りのお人形さんだった。 私が思わず抱っこすると、 『さるぼぼはね、女の子を守ってくれるんやさ』 へえ〜、そうなの? でも、どうしてお顔がないの? 『さるぼぼの顔は、るぽの心の鏡やから』 心の鏡? 『いまはどんな顔に見える?』 う〜んと・・・楽しそうな顔。 『そうそう。るぽが楽しいときはさるぼぼも楽しい顔。 悲しいときには悲しい顔になるんやよ』 ふうん。 このときから、私はいつもさるぼぼと一緒だった。 朝起きて歯を磨くときは私の横にいて、 そのあとはずうっと一緒におままごとをして、 ごはんのときは横に座って一緒に食べる。 夜寝るときも抱っこして眠った。 保育園には持っていけなかったけど、朝おでかけするときはお見送りしてくれて 夕方帰ったら、ちゃあんと玄関でお出迎え。 いまでもその習慣は続いている。 この子は特別。私の心の鏡。 小学校に入ったとき、おばあちゃんに作り方を教えて、ってお願いした。 お裁縫はまだ早い、ってお母さんにはダメ出しされちゃったけど、 おばあちゃんは、こっそり教えてくれた。 失敗してはやり直し、また失敗して。。。 1つ作るのに、何日もかかってしまったけど、 少しずつ少しずつ小さなさるぼぼが増えていった。 一応、お父さんやお母さんには内緒でこっそり作ってたから 10年以上経っても、その数、たった15体。へへ。 でも、さるぼぼを作るとき、おばあちゃんは必ず私の横にいて、 いろんな話をしてくれたから、それも楽しくて仕方なかった。 『るぽがお母さんのお腹にいるときも、さるぼぼを作ってあげたんだ』 お母さんもさるぼぼと遊んでたの? 『いいや。さるぼぼは、安産のお守りなんやさ』 すごぉい、女の子だけじゃなくて、お母さんも守ってくれたんだ。 『お母さんが転...
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    14 mins
  • ボイスドラマ「星に願いを」
    Feb 4 2025
    (CV:桑木栄美里) 【ストーリー】 ■SE〜拍手と歓声 「やったぁ!」「おめでとうございます!」 スーパーカミオカンデよりもさらに巨大な”ハイパーカミオカンデ”。 2026年に新たに建設されたニュートリノ検出器の中で 私たちは、世紀の大発見をした。 ”反ニュートリノ” 今まで物理の理論上は存在が認められながら、誰もとらえられなかった素粒子。 ビッグバン解明の鍵を握る『反物質』である。 このニュースは世界中を駆け巡り、NASAからも共同研究のオファーがきた。 このとき、私はまだ高校生のアルバイト助手だったけど、 反物質の存在に気づいたのは一緒に助手をしていた同級生の彼。 私たちはNASAの研究室へ招かれ、2人で海を渡った。 それから10年。 ■SE〜NASAの管制室/ガヤ 人類の進歩は、たった10年で恒星間航行を可能にした。 物質と反物質の衝突エネルギーを利用した反物質エンジンの実用化である。 それはもちろん、 ハイパーカミオカンデの功績によるものが大きい。 これにより宇宙開発のスピードはますます加速、 国家の枠を超えたビッグプロジェクトが立ち上げられた。 その名は、 アルファ計画。 太陽系を飛び出し、50年かけて、 4光年離れたケンタウルス座の恒星=アルファを目指す。 そのクルーに推薦されたのは、私の夫となっている『彼』だった。 探査機『KAMIOKA』に乗り込むクルーは、コールドスリープしながら、星を超えていく。 彼はNASAでカウンセリングを受けながら、私と毎日話し合った。 結局彼の背中を推したのは、この私だ。 『行ってもいいよ』 『でも、君と子どもたちが・・・』 『だって、好星間航行はあなたの夢だったじゃない』 『ああ・・・50年か』 『私は76歳のおばあちゃんね』 『僕は26歳のまま・・・』 『まさにウラシマ効果ね』 全然笑えないのに、口元がゆるむ。 ■SE〜NASAの管制室/カウントダウン そして彼は銀河の彼方へ旅立っていった。 私は、彼の思い出を抱きしめて、子どもたちと残りの人生を過ごす。 楽しみは、ビデオアルバムや、定期的に届く探査機『KAMIOKA』の航行日誌。 幸いにしてNASAから私たち家族に届く給付金は充分だった。 息子2人を有名な大学へ通わせても、私は悠々自適な暮らしを送る。 やがて、息子たちは結婚して家を出ていき、家には私一人になった。 彼が出発してから50年がすぎていた。 22世紀という言葉が世の中で出回り始めた頃。 恒星間航行はもはや当たり前となり、各国が競って探査機を打ち上げていた。 国単位だけでなく、民間の恒星間ロケットもそこに加わる。 もうニュースでも、KAMIOKAのことなどほとんど報道されなくなっていた。 そんなある日、NASAからとんでもない知らせが私の元に届いた。 ”KAMIOKAがアルファに到達する直前、未知の天体の引力圏にとらえられた模様。 重力レンズ効果で発見できなかったが、 (たぶん)ブラックホールと思われる” そんな! なんのために、彼は探査機に乗り込んだの!? なんのために、私は彼のいない生活に耐えてきたの!? 私は泣きながら彼のビデオアルバムを再生する。 50年前の幸せな時間。 ほとんどの映像はすりきれるくらい見ているが、見慣れないコンテンツを発見した。 出発前の彼がインタビューに答えている。 『ブラックホール? 一番近いガイアBH1でさえ1600光年先ですからね。アルファ周辺は心配ないでしょう』 『万が一、とらえられたら?そりゃもう、ジ・エンドでしょ』 『あ、そうそうブラックホールには究極のウラシマ効果があるって知ってますか』 『相対性理論でも言われてるでしょ。 巨大な重力を持つブラックホール周辺では、時間が極めてゆっくり流れていく』 『ブラックホールにのみこまれていく物体を遠くから観察すると、 表面に近づくにつれて動きがゆっくりになり、永遠にたどり着かないように見える』 『近づきながら、1分が1年になり、やがて1秒が10年の速度になっていくんだ』 『気が遠くなるような時間をかけて、 僕たちが見つけたニュートリノや反ニュートリノのような素粒子に分解されていく』 なんということ。 不吉な言葉が現実となってしまったのね。 呆然とする私。 ...
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    12 mins
  • ボイスドラマ「バニシングツイン」
    Feb 3 2025
    (CV:桑木栄美里) 【ストーリー】 ■SE〜終業のチャイム/教室のガヤ 「えっ、私が文化祭の実行委員に・・・・・・!? そんな、む、む、む、無理です・・・ぜったい・・・」(※泣きそうに・・・) 秋風が吹く放課後。 いきなり、文化祭実行委員長からおそろしい宣告をされた。 これだから”陽キャ”は・・・。 きっと私が断れないことを見越してフッてきたんだ。 早く、早く断らなきゃ。 押し切られちゃう前に・・・ 『じゃあ、頼んだよ〜、よろしくね!』 「あ、あ、あの、あの・・・む・・り・・・」 『委員会、明日の放課後だから、遅れないように!』 うう〜。こいつ〜 ”陰キャ”だと思って、”陽キャビーム”全開にして振り逃げしやがった。 くそう・・・ 私って、文化祭実行委員長のアイツにいつも標的にされてるんだよね。 でも、アイツって、なんか、ちょっとだけ、気になるんだなあ・・・ あ〜、でもやっぱり無理。 文化祭の日は、学校サボろうと思ってたのに。 委員会なんて、出たくないよう〜 ■SE〜家庭内のガヤ(お母さんの料理の音など) 『ちょっと、ご飯できてるわよ。食べないの?』 「いらない。食べたくない・・・」 『どうしたの?どっか悪いの?』 「違うけど・・・食欲ない」 『食べないとホントに病気になるわよ』 「病気になりたい・・・」 『バカなこと言わないで』 「あ〜だめだ、委員会のこと考えると吐きそうになる」(※ココ独り言っぽく) 『委員会って?』 「わーやめて。考えないようにしてたのに・・・」 『なんか、言ってること支離滅裂よ』 「支離滅裂でいいもん」 『困ったわね』 「ねえママ。私、明日学校休むわ」 『ええ?』 「ご飯もいらないから。もう寝よっと」 『ちょっと』 こういうとき、自分の母親が精神科医っていうのは、いいのか悪いのか・・・ 今はベッドの中だけが、私の安息空間。 このまま目が覚めなきゃいいのに・・・ ■SE〜朝のノイズ(小鳥のさえずりなど)〜カウンセリングルームの小さなガヤ あれ?ここどこだっけ? え〜っと・・・ あ、ママの病院! カウンセリングルームだ・・・ 『そろそろあなたの引きこもり、なんとかしなきゃって思ってたから』 「なんとかって?」 『退行催眠療法、ためしてみるわね』 「退行催眠療法?」 『時間を遡って、トラウマの原因、さがしてみましょ』 「トラウマなんてないから」 『さ、目をつむって。 リラックス・・・』 目をつむったら寝ちゃいそう・・・ 『あなたの潜在意識に命じます。 過去をずうっと遡って、人と話せなくなった頃の記憶に戻りなさい』 ・・・話せなくなったころ・・・ 3歳・・・2歳・・・もっと前・・・生まれる前・・・ 一瞬目の前が真っ暗になり、再び光に包まれる・・・ ここは・・・? 『やあ、やっと会えたね。エミリア』 「だれ?私、エミリアじゃなくてエミリだけど」 『ああそうか・・・。ボクはエミリオ』 「エミリオ?」 『ボクのこと、覚えてる?』 「わかんない」 『ずうっと君の中にいたんだよ』 「え?」 『あ、ほら。ママが呼んでる』 「なになに?待って待って。まだ話終わってない」 『大丈夫、また会えるから』 そのとき、私は血圧が低下して、ちょっとした騒ぎになっていたらしい。 気がつくと、ママが心配そうに私の顔を覗き込んでいた。 『よかった、一時はどうなるかと思ったわ・・』 ■SE〜学校のチャイムと放課後のガヤ 『お、ちゃんと委員会にきたじゃん、えらいぞ。 今日はお前が発表する日だからな』 え?はっ・・・ぴょ・・・う・・・? だめだ、目の前が真っ暗になる。 私は思わず、カバンにつけたさるぼぼのキーホルダーを握りしめた。 その瞬間・・・意識が遠のいていった・・・ ■SE〜玄関の扉を開く音 「あれ?私、なんでここにいるの?」 『ちょっと、やめてよ。ヘンなこと言わないで』 「だって放課後の委員会で・・・」 『そうそう。そういえば、あなたが帰る前に委員長さんから電話あったわよ。 お礼言ってた』 「え?なんのこと?」 『あなたの提案した企画、すごくよかったって』 「え?企画?提案?なんのこと?」 『もう〜、いいから早くあがってご...
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    20 mins

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