• ボイスドラマ「rupoとさるぼぼ」

  • Feb 4 2025
  • Length: 14 mins
  • Podcast

ボイスドラマ「rupoとさるぼぼ」

  • Summary

  • (CV:桑木栄美里) 【ストーリー】 ■SE〜教室のガヤ 「あ〜、ま〜たさるぼぼ作ったんだ?」(※ココ男子でもOK) 友だちが、私のスクールバッグにつけられたキーホルダーをみて笑う。 赤、青、白、黄色、ピンク、緑、オレンジ・・・ 色とりどりの顔をした多勢のさるぼぼたちにまざって真っ黒な顔の子が揺れている。 一番上の目立つところに。。。 「なんか、黒いさるぼぼって、不気味〜。 ハロウィーンもう終わってるじゃん」(※ココ男子でもOK) 『黒い顔のさるぼぼは厄除け・・・』 私はひとりごとのように呟く。 私の名前は、るぽ。本名です。 お母さんに名前の由来きいてみたら。。。 フランス語で「Repos(ルポ)」=(は)「ひとやすみ」っていう意味なんだって。 だからかなあ、私、いつもぽわーんとしててお休みモード。 みんなから、私の周りでは時間がゆっくり流れてる、って。。。 私、自分の名前が『るぽ』だからってわけじゃないけど、 なぜか子どもの頃からさるぼぼが大好きで。 あだ名は、『るぽ』じゃなくて『るぼ』。可愛くなーい。 私に初めてさるぼぼを贈ってくれたのは、おばあちゃん。 それも手作りだった。 あれは私が保育園に入る前。 3歳のお誕生日、私を手招きして、 『さあ、お誕生日のるぽに、お人形を作ってあげようね』 と言って、赤い布を真四角に切り取り、四角(よすみ)を縫っていく。 ヒトデのようになった布切れはすっごく不思議な形だった。 私は目をまんまるにして覗き込む。 『さあ、お腹ができあがってきたよ』 ヒトデを真ん中からひっくり返し、綿(わた)をつめていく。 ただの布が命を吹き込まれる様子はまるで魔法のようだった。 『あとはお顔がないとね』 綿を器用に丸めてロウで固める。 すると、なんということ。 キレイなまん丸の玉ができあがった。 おばあちゃんは、まあるい玉に赤い布を貼り付けると、 『ほら、笑ってるみたいやろ』 ホントだ。さるぼぼが喜んでる。 『あとは、黒い頭巾をかぶせて』 わあ、可愛い。赤ちゃんだ。 『頭と体を縫い付けたら』 できあがり〜。 『まだまだ。腹掛け(はらがけ)を着せてあげんとね』 おばあちゃんは、腹掛けに『るぽ』と刺繍してくれた。 私にもわかるように、ひらがなで大きく。 完成したのは、身長20センチくらいのさるぼぼ。 3歳の私にとっては、大きな大きな手作りのお人形さんだった。 私が思わず抱っこすると、 『さるぼぼはね、女の子を守ってくれるんやさ』 へえ〜、そうなの? でも、どうしてお顔がないの? 『さるぼぼの顔は、るぽの心の鏡やから』 心の鏡? 『いまはどんな顔に見える?』 う〜んと・・・楽しそうな顔。 『そうそう。るぽが楽しいときはさるぼぼも楽しい顔。 悲しいときには悲しい顔になるんやよ』 ふうん。 このときから、私はいつもさるぼぼと一緒だった。 朝起きて歯を磨くときは私の横にいて、 そのあとはずうっと一緒におままごとをして、 ごはんのときは横に座って一緒に食べる。 夜寝るときも抱っこして眠った。 保育園には持っていけなかったけど、朝おでかけするときはお見送りしてくれて 夕方帰ったら、ちゃあんと玄関でお出迎え。 いまでもその習慣は続いている。 この子は特別。私の心の鏡。 小学校に入ったとき、おばあちゃんに作り方を教えて、ってお願いした。 お裁縫はまだ早い、ってお母さんにはダメ出しされちゃったけど、 おばあちゃんは、こっそり教えてくれた。 失敗してはやり直し、また失敗して。。。 1つ作るのに、何日もかかってしまったけど、 少しずつ少しずつ小さなさるぼぼが増えていった。 一応、お父さんやお母さんには内緒でこっそり作ってたから 10年以上経っても、その数、たった15体。へへ。 でも、さるぼぼを作るとき、おばあちゃんは必ず私の横にいて、 いろんな話をしてくれたから、それも楽しくて仕方なかった。 『るぽがお母さんのお腹にいるときも、さるぼぼを作ってあげたんだ』 お母さんもさるぼぼと遊んでたの? 『いいや。さるぼぼは、安産のお守りなんやさ』 すごぉい、女の子だけじゃなくて、お母さんも守ってくれたんだ。 『お母さんが転...
    Show more Show less

What listeners say about ボイスドラマ「rupoとさるぼぼ」

Average customer ratings

Reviews - Please select the tabs below to change the source of reviews.