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[3巻] SPレコード落語特選 初代桂春團治編 三

By: 桂 文我
Narrated by: 桂 文我, 春團治
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Publisher's summary

落語のSPレコードの成り立ち
明治36年(1900年)、ビクターの子会社であったアメリカのレコード会社・英国グラモフォンのプロデューサー・録音技師のフレッド・ガイズバーグにより、ホテルの一室をスタジオ代わりにして、日本で最初の平円盤式レコードの出張録音が行われました。

初代桂春團治について
本当の初代桂春團治に功績がなかったため、明治中期から昭和初期まで、関西で絶大な人気を得た二代目を、後々、初代と呼ぶようになりました。
明治28年(1895年)、18才で初代桂文我に入門し、桂我都と名付けられましたが、日常の素行が悪かったため、「もっと厳しい噺家の許で修業をさせた方が良かろう」と考えた文我が、二代目桂文團治(後の七代目桂文治)に預け、桂春團治に改名。
素行の悪さは直りませんでしたが、高座が抜群に面白く、次第に人気が高まり、SPレコードの吹き込み数もナンバーワンになったのです。

演目解説
『赤子茶屋』
近年、他人の不幸に付け込んで利を得ようとする落語の上演が少なくなりました。当時の観客は喜んだのかも知れませんが、今となっては聞くに耐えない内容のネタもあるのです。
『赤子茶屋』
近年では、人間国宝に指定され、文化勲章も授賞した三代目桂米朝の兄弟子に該る二代目桂米之助が演じ、笑福亭松葉(平成7年に没し、七代目笑福亭松鶴の名前を追贈される)が教えを受けました。
今後、工夫を加え、甦るネタになるでしょうか?
『阿弥陀池』
明治時代、初代桂文屋が創作したネタに、初代春團治がナンセンスなギャグを加え、爆笑落語に仕立て上げました。初代春團治の十八番の一つで、各レコード会社で吹き込んでいます。
二代目春團治も得意にし、晩年、朝日放送が催した『春團治十三夜』という番組でも上演し、最古のライブ録音として残ったのが、上方落語界の貴重な財産となりました。
三代目春團治は持ちネタにしませんでしたが、二代目の弟子・露の五郎(晩年、二世露の 五郎兵衛を襲名)が十八番にしていたことを、懐かしく思い出します。
©2019 Katsura Bunga
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