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  • #9|何かはじまる予感だらけ。けれども…─松本正彦『劇画バカたち!!』⁠
    Sep 17 2024

    番組史上最長の収録時間となった今回。「大絶賛ってわけじゃない、複雑な感謝本なんですよね」(廣田)。あまりにおもしろそうなテーマなのに、なぜか漂い続ける不穏感。その魅力をなんとか言語化しようとした終盤、なぜ武田は笑いのツボにはまってしまい──。

    今回の感謝本:松本正彦『劇画バカたち!!』

    【今回のトピック】 初回の『望郷太郎』への廣田からのアンサー本/さいとう・たかをを中心とした劇画版の『まんが道』?/劇画は貸本屋時代の大阪からはじまった/どの世界にもいるいや〜な先輩/画面から漂うつげ義春み/社長の空手形/なぜか得られないカタルシス/劇的なことが起こらない「劇画前夜」のリアリティ/さいとう・たかをだけずっとやる気!/伏線回収に期待しすぎな現代人/「でも人間ってそうだよな」/ジャンルが生まれる時/伏線回収の精度=作品の豊かさじゃないよね?/25年越しの単行本化/青山ブックセンターのフェアだから出会えた/今のヒップホップに近い当時の漫画ビジネス/「ここで終わり?」な異形のラストシーン/無自覚なポストモダン/読んだ人と話したい!

    ▼番組への感想、メッセージ、あなたの感謝本をぜひお送りください!https://forms.gle/jSZMtD58zpaD3gzH9

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    45 mins
  • #8|文化として調理し味わう楽しみ(しかもお手軽に)─稲田俊輔『ミニマル料理』
    Sep 9 2024

    0歳児のまっただ中、料理を楽しめず困っている武田が手に取ったクリティカルヒットレシピ本。簡単なのに文化的なレシピたちと、この本の編まれ方の批評性を饒舌に語ります。感謝の多点買いができる1冊!

    今回の感謝本:稲田俊輔『ミニマル料理 最小限の材料で最大のおいしさを手に入れる現代のレシピ85』(柴田書店)

    「絶対に読んでほしい前書き」はこちらから

    【今日のトピック】 前回から3キロ痩せた廣田/高校球児時代1日5食食べていた武田/椎名誠で料理に目覚める/上京してはじめて食べたガパオライスで開眼!/子育て中、文化的な営みとしての調理をどう続けるか/「土日の男の料理」ではダメ!/「絶対に読んでほしい前書き」を読んでほしい/世界から失われつつある「普通の家庭料理」/柴田宵曲『古句を観る』/時短、お手軽とは違う楽しみ/圧巻の!なすのしょうゆ煮/絶対誰でも再現できる定量化レシピ/うまみも甘みもなくなぜおいしいのか/感謝のよだれ/フライパンの上だけで完結する麻婆豆腐/味覚におけるプッシュ型とプル型/本好きを刺しに来てるネーミング/新宿〈サントリーラウンジ 昴〉の思い出/感謝の多点買いができる1冊!

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    34 mins
  • #7|読書遍歴を語ろう!
    Sep 2 2024

    ふと、なぜ廣田が小説・人文書・詩など幅広く本を読み続けているのか気になった武田。ということで、今回はふたりが本に目覚めたきっかけから、読書遍歴を語り合いました。リスナーのみなさんの「マイファースト感謝本」もぜひ教えてください!

    【今日のトピック】 本に感謝すると著者に届く率、現状100%/月に1冊本を読む人=わずか10%ほど?/小児ぜんそくゆえに(?)本好きになった(武)/親が絵本好きだった(廣)/おれたちの長新太!/エンデ『はてしない物語』を読了したらほんもの/好きな子に会いに図書館へ/ミスチル経由のフロイト、エルヴィス・コステロ/村山由佳『おいしいコーヒーのいれ方』で恋に憧れた男子校生活/『ぼくは勉強ができない』の時田秀美くん!/中3で偶然読んだある作品ですべてが変わった(武)/サッカー部・キネブチくんの影響で手に取った大江作品から受けた衝撃(廣)/小熊英二『民主と愛国』を読んでた高校球児(武)/ 理系だけど本が好きすぎてこづかいでZ会の国語をとってた(廣)/本について語れる仲間、どうつくった?/「読書って現実逃避じゃね?」にどう答えるか/「文学部不要論」にどう応えるか/貨幣より前に物語があった/それぞれのファースト感謝本を探ろう!

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    39 mins
  • #6|ミステリーの味わいで開かれる知の扉─黒田泰三『思いがけない日本美術史』
    Aug 26 2024

    今回は廣田が番組初の新書を紹介。作者不詳のある名画の謎が、新書にも関わらずミステリー小説のような味わいで解かれてゆく。そんな未知のジャンルへの誘いを、熱量いっぱいに語ります。話題は終盤、ふたりの書店と新書をめぐる体験へ。

    今回の感謝本:黒田泰三『思いがけない日本美術史』(祥伝社新書)

    【今日のトピック】 新書なのにミステリー小説的おもしろさ/作者不詳の名画「彦根屏風」の謎/華やかな遊郭の画なのになぜみんなBAD入ってるの?/教養がないと描けないモチーフの採用/最強の絵師集団・狩野派と等伯率いる長谷川一派の関係=電通vs博報堂?/居場所を失った狩野長信/資料から絵の細部を読み取り、史実に迫るミステリー!/古い絵画からドラマが「見える」/なぜ我々は西洋画ほど日本画を知らないのか/ヴァニシング・メディエイターとしてのオランダ/廣田の書店回遊術:目当ての本がなかった時は新書を買う/アーティストと一緒に仏教勉強中の武田『日本仏教史』を読む/高橋源一郎『一億三千万人のための小説教室』/知の入り口であればスタンスは問わない/文化・芸術はなぜ人にとって重要なのかという永遠の問い

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    34 mins
  • #5|何気ない日常などない──滝口悠生「連絡」
    Aug 19 2024

    満を持して小説を紹介するにあたり、当日まで迷っていた武田。最終的に決めたのは、まだ書籍化前の「子育て」に関する名作中編。


    今回の感謝本

    滝口悠生「連絡」(『文藝』2024年秋号収録)


    【今日のトピック】選ばなかったのは津村記久子さん「サキの忘れ物」/滝口悠生×柴崎友香のトークに出かけた武田/3歳のももちゃんとお父さんがずっと公園にいる/「思い出す」ことで時空がレイヤーに/社会的な呼称「○○のお父さん」から感じる幸せの形/メンタル壊して得た「日常って奇跡だったんだ’/「ネタバレなしで魅力を伝える努力をしてみようと思います」/誰も公園から出ないのに世界につながっている!/読み終わって拍手/子どもを通じて考える、世界の悪意や暴力について/虚実のあわいが消失していく『長い一日』/人称表現の多様さって日本文学ならでは?/私小説がアプデされる令和/私性のゆらぎ/虚を混ぜることで立ち上がる実

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    36 mins
  • #4|「笑い」を書くこと
    Aug 12 2024
    今回は収録前にふたりで盛り上がっていた「笑い」について。ギャグ漫画をまったく通ってきてない武田が読むべき作品、ぜひ教えてください!

    【今日のトピック】 漫画家・宮川サトシさんと出会った廣田/DCコミックスから唯一二次創作を許可された漫画家/あるある」とは「ないない」である/色無し恋無し情け有り/ベイブレードとごはんですよ!の蓋/笑いとは観察と連想とタイミング/翻訳家・村井理子さんのエッセイのおもしろさ/必死さが反転した笑いもあるよね/創作とメタ認知/罵詈雑言といやみの違い/「闘病後日記」余命120日と宣告されたあとの世界で/笑いをうまく書けない武田のお悩み/酢豚の中のパイナップルの役割/カート・ヴォネガットの発明/「悲劇と喜劇はカメラを置く場所で変わる」/ギャグ漫画家はメンタルを崩しやすい?/『ヒミズ』を境目とした古谷実作品/吉田戦車『伝染るんです』ど真ん中世代の廣田/Z会ネーム・火星田マチ子

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    32 mins
  • #3|松下育男『これから詩を読み、書くひとのための詩の教室』──帰るための場所としての○○
    Aug 5 2024

    廣田セレクト回。企業で働きながら詩作を続けてきた著者は、定年後詩の教室をひらきます。ぼくたちの暮らしの中のことばと、詩のことば。どんなふうに違って、どんなふうに味わえるのか。

    今回の感謝本:松下育男『これから詩を読み、書くひとのための詩の教室』 (思潮社)

    【今日のトピック】 しんどい時ほど詩が読みたい/論理の究極形として/意味以前の世界を描く(言語で)/「今、詩人みたいだった?(笑)」/紀伊國屋書店の平台にて/外資系企業勤務・飲み会苦手な松下さんに共感の廣田/創作者による解説=読み方、書き方の教室/根底にあるはげましの視線/廣田、朗読してみます!/沈黙するために書かれる言葉=詩/言えないことをどう言うか/武田、蔑称としての「ポエム」に怒る/詩を書くのは「帰りたかったから」/「こんな深い感謝があるのか……」/ヒップホップを聞きリリックを読むように/本邦初公開、廣田の感謝ノート/連想・象徴化・リフレクション/再度実証された「感謝=ノーリスクハイリターン」説

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    38 mins
  • #2|山田芳裕『望郷太郎』──終末世界で感謝する資本主義的亡者のお話
    Jul 29 2024

    初回の感謝本は武田セレクトの山田芳裕さんによるマンガ『望郷太郎』! 寒冷化によって初期化された世界を描くポストアポカリプスもの。こってりとした劇画タッチで描かれるSFマンガを、なぜ選んだのでしょう。

    今回の感謝本:山田芳裕『望郷太郎』(講談社)

    【今日のトピック】 「BOOKS CALLING」の由来/選書は知のカードバトルになりがち/本に呼ばれて/永井玲衣さんの哲学対話からのヒント/番組ルール①「固有名詞でマウントしたり威圧しない」/②「本のよさを数字で語らない」/③「批判はOK、否定はNG」/感謝とリスペクトの違い/アテンションエコノミーの時代にだらだらしゃべる効能/『望郷太郎』の表情の描き方がやばい……/「そこ急にSFなんだ」/文明史・経済史をやり直す壮大な物語/シベリア鉄道大逆走!/「貨幣」によって救われるものとは/『火の鳥』的な歴史の入れ子構造/500年後にも残るレガシーとしてのadidasジャージ(笑)/終末世界で感謝する資本主義の亡者・太郎/ポトラッチが描く贈与の暴力性/激アツな中沢新一さんによる解説/『望郷太郎』を読んだら仕事がきた話/感謝のカウンター

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    39 mins