• 双眼鏡を使うときのコツ

  • Oct 20 2023
  • Length: 8 mins
  • Podcast

双眼鏡を使うときのコツ

  • Summary

  • 解説は、日本スペースガード協会 西山さん天体観測に使う双眼鏡と天体望遠鏡の違いについてです。 どちらも「遠方にある天体を観測するための装置」ということでは同じものです。 大きく異なるのは、天体望遠鏡は片目でのぞくのに対し、双眼鏡はその名の通り両目でのぞく、ということです。普段モノをみるのと同じように両目を使うため、片目で見るより自然で疲れにくく、遠近感や立体感を感じることができるのも双眼鏡の魅力です。 また、一般的に双眼鏡は片手で持てる程度の大きさ、重さで、星空をながめたいと思った時に、気軽に家から持ち出して使うことができるコンパクトさも特徴であり、天体望遠鏡との違いといえます。   望遠鏡の性能を表す指標の一つに"倍率"があります。 天体望遠鏡が20倍、100倍、さらに200倍などの倍率で使われることがあるのに対して、 双眼鏡は7倍、10倍、20倍といった比較的倍率の低いものが一般的です。 望遠鏡を使って夜空を楽しむのに、必ずしも高倍率の方が良い、ということはありません。 倍率が高くなれば小さい天体をより大きく拡大してみることができるようになりますが、低い倍率であれば、大きく広がった天体全体の姿を楽しむことができます。倍率は観測の目的にあったものを選ぶことが大切です。 例えば、木星や土星などの惑星を楽しむにはある程度の倍率が必要ですので、天体望遠鏡が適しているといえます。一方、日本では「すばる」とよばれているおうし座の「プレアデス星団」や「ヒアデス星団」、ペルセウス座の2重星団など、大きく広がった天体は、天体全体をひとめで眺める見ることができる双眼鏡が適しているといえます。   次におすすめの双眼鏡についてです。 天体観測に適した双眼鏡としてよく言われるのが7倍50mmの双眼鏡です。7倍は倍率のことで、50mmはレンズの直径です。もっと大きなレンズ、直径10cmや20cmといったものもあります。レンズが大きくなればそれだけ暗い星や淡い天体を見ることができるようになってハッピーなのですが、そのような双眼鏡は大きく重くなってしまいます。逆にもっとレンズが小さくコンパクトなものもありますが、やはりその分みることができる天体が少なくなってしまいます。星空が見たい!とおもいたったら気軽に持ち出して楽しめるコンパクトさとレンズのサイズがほどよいバランスの双眼鏡、それが7倍50mm程度というわけです。   次に、私なりの双眼鏡の楽しみ方をふたつほど。 天体観望会では、星雲や星団など目的とする天体を決めて、その方向に双眼鏡や望遠鏡を向け、その姿を観察して楽しむ、というのが一般的です。双眼鏡の楽しみ方のひとつめとして私がおすすめなのは、あえて目的とする天体を決めずに、自分の好きな方向に双眼鏡を向けてただその見えた星空を眺めて楽しむ、というものです。星空のいろいろな方向を眺めてみると、肉眼では見えなかったたくさんの星や天体があることがわかります。特に星が多く存在する天の川付近では、いろいろな形の星雲や星団をたくさんみつけることができます。双眼鏡を天の川に沿って動かしていけば、見知らぬ天体や無数の星々の存在に、宇宙の大きさや広さを実感すること間違い無しです。また、そうやって見つけた天体の中から、気になったものについては、ネット検索などで正体を確認するのもいいでしょう。自分のお気に入りの天体として、きっと名前と見える位置を覚えることができるのではないでしょうか。次回、星空観察するときの楽しみの一つになると思います。   次に、双眼鏡の楽しみ方のふたつめです。「双眼鏡を使うときのコツ」として、しっかり固定する、がありました。 手で持つ場合は脇をガッチリ占め、やや足を広げて体が揺れないようにする。カメラ三脚に固定する、という方法もあります。ただその固定が難しい方向もあります。それが真上、頭の上の方向です。 双眼鏡を真上に向けるには、双眼鏡を頭の上に持ち上げ、首を精一杯曲げる姿勢が必要で、腕にも首にも無理のあるこの姿勢を長く続けるのは思いのほか大変です。双眼鏡をカメラ三脚に...
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